h.祖師らの輪廻

 三木悟住職や飯田史彦先生から、最近の僧侶の半数近くが霊魂、輪廻を信じていないという話を伺いましたので、参考までに日本の仏教界の祖師方が流転輪廻を前提として説かれたことを紹介します。(敬称略)

「現代仏教塾Ⅰ」三木悟、幻冬舎および「現代仏教塾」テキストより)
★親鸞
「教行信証」
悲しいかな、垢障の凡愚、無際より已来、助・正間雑し、定・散心雑わるが故に、出離その期無し。
自ら流転輪廻を度るに、微塵劫を超過すれども、仏願力に帰しがたく、大信海に入りがたし。良に傷嗟すべし、深く悲嘆すべし
「正信偈」
生死輪転の家に還来することは、決するに疑情を以て所止と為す
「正像末和讃四八」
無始流転の苦を捨てて、無上涅槃の期すること、如来二種の廻向の恩徳まことに謝し難し。

★日蓮
「船守弥三郎許御書」
過去に法華経の行者にてわたらせ給へるが今末法にふなもりの弥三郎と生れかわりて日蓮をあわれみ給うか。
「四条金吾殿御消息」
日蓮過去に妻子、所領、眷属等の故に身命を捨てし所いく幾そばく許かありけむ。或は山にすて、海にすて、或は河、或はいそ等、路のほとりか。然れども法華経のゆへ、題目の難にあらざれば、捨てし身も蒙る難等も成仏のためならず。

★道元
「正法眼蔵」十二巻本第八
善悪の報いには、次のどれかに当てはまる三つの決まりがある。これを三時という。
 一つには、「順現報受」… 現世において報いがある場合。
 二つには、「順次生受」… 来世において報いがある場合。
 三つには、「順後次受」… 第三世において報いがある場合。
仏祖の道を修習するには、其の最初よりこの三時の業報の理を効い験らむるなり、爾あらざれば多く錯りて邪見に堕つるなり。但邪見に堕つるのみに非ず、悪道に堕ちて長時の苦を受く。
当に知るべし。

★空海
「秘蔵宝鑰」
三界の狂人は狂せることを知らず、四生の盲者は盲なることを識らず、生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し。
「秘蔵宝鑰」
閻魔・獄卒は獄を構えて罪を断り、餓鬼・禽獣は口を焔やして体にかく。三界に輪廻して四生にりょうびょうす。

★法然
「拾遺和語燈録」
これを廣野に捨て、これを遠き山におくる。屍はついに苔の下に埋もれ、たましいは一人旅の空に迷う。

参考「大本神諭」明治32年旧9月19日)
人は一代名は末代と申すが、人民は一代限りでは無いぞよ。生き代わり死に変わり何度も此の世へ生まれて来るのであるから